5-年金-2年金清算事業団方式による過去債務整理
維新政治塾で講義をされた鈴木亘氏は年金問題の解決方法を以下のように述べています。
1)現在の年金制度は賦課方式(いまの若い世代がいまの老人たちを支えている)を積み立て方式(いまの若い世代が将来の自分のために積み立てておく)への移行を行うこと。
2)既存の年金債務は年金清算事業団のバランスシートに移し、積み立て方式になった国の年金会計から切り離す。
3)すでに保険料を支払った世代もこの年金清算事業団から年金をうけとり、また若い世代は積立てから受け取る。
4)年金清算事業団のもつ年金債務については、若い世代だけではなく、老人たちもその債務を引き受ける。ここが積み立て方式移行のメリット。現状の賦課方式のままだと若い世代にもっぱら債務が重荷になる。積み立て方式の移行では、若い世代と老人たちが税金の形でこれを少しずつ帳消しにしていくことになる。
5)年金清算事業団は当初は借金経営になる。それを資金調達するために年金清算事業団債を発行してこれは無理なく償還できる(詳細は鈴木さんの本「年金問題は解決できる! ―積立方式移行による抜本改革」を参照のこと)。
6)税金の財源は、消費税、さらに本書で強調されているのが、年金目的の追加所得税を各世代に薄く広く適用、相続税、老人世代の高額所得者&資産家への「防貧保険」としての「掛け捨て」の発想など。
私はこの鈴木亘氏の案が抜本的でありかつ現実的だと考えています。